ジェバンニ妄想日記《テレビ鑑賞》

※ ジェバンニのキャラが著しく崩壊しています。

実在女性を対象にしています。
ややマニアックな内容です。
　
苦手な方は、くれぐれもご注意下さい。　

定期報告を終えて通信を切った時、ノートパソコンの時計表示は、23時28分を示していた。

慌ててモニターウインドウを切り替える。タイトルアニメーションが液晶画面いっぱいに踊る。
ああよかった間に合った、これを見なければ一日は終わらない。

過酷な一日のひとときの息抜き僕の日課、女子アナ鑑賞の時間だ。

当初はキラの代弁者である高田聖美アナウンサーだけではなく、世論を知る事も大切だろうと、情報収集の一環でニュース番組をチェックしていたのだが。
プライベートな時間なぞ存在しない一人尾行の孤独な日々の中で、モニターの向こうの控えめそうな日本の女性アナウンサー達は、ささくれだった僕の心とドライアイをじんわりと潤してくれるように感じられた。
いつしか、一日ほんの数十分間の女子アナ鑑賞が、僕のささやかな楽しみとなっていた。

最近のごひいきはもう一人のタッキー、滝川クリステルだ。
彼女のあの特徴的な斜め座りが目について、なんとはなしに毎日欠かさず観ているうちに、妙に気に入ってしまったのだ。
あさっての方向を向いていた視線が、時折こちらを振り返る瞬間に、ひどくそそられる。

何事も情報収集は基本だ。さっそくインターネットでプロフィールをチェックしてみた。
ほう、あの角度はスタッフがモナリザを意識して、彼女が最も美しく見える視覚効果を狙って45度を強要してるのか。
ＯＫ、良く判っている。ＧＪスタッフ。
しかし彼女自身は「骨盤が歪みそう。できれば正面を向いてニュースを読みたい」「本番中に首がつったことがある」とこぼしているという。

この職場環境に恵まれなさ！
この仕事とは関係ないところでの苦労人ぶりはどうだ！親近感！

トライリンガルの知性派の彼女はアメリカかフランスで就職したかったというのに、両親の意向で日本で女子アナになったという。

この周囲に流されやすさ！
気持ちは良く判る！

僕だってＦＢＩにいたかった！なまじ仕事が出来たばかりにこんな目に遭おうとは！
それとも僕は人身御供としてあの理不尽なちびっこ上司に差し出されたのだろうか？エリートと呼ばれていた頃あの頃に帰りたいと思っていたが、あなたも鬼だったのか尊敬していた元上司よ！？
自分を見るような彼女の境遇に感情移入が止まらない。

なのに彼女は座右の銘はc'est la vie！
この前向きさはどうだ！ますます親近感！！

すっかりファンになってしまった。
仕事で疲れた僕は心の同志である彼女の頑張りと、日によって疲れが顔に出る彼女の目元に励まされる。
僕のお気に入りはなんと言っても彼女の声。ブレスの時のつたないリップノイズ。

「……ました」

語尾の最後の母音の揺らぎに心が躍る。
舌ったらずは実際には舌が長いからああいう喋り方になるのだというじゃないか、堪らない。
知性派なのにチャイルディッシュな喋り方、堪らない。幼児性と高い知性のギャップ、堪らない。
クリステル、あなたのそのギャップのコンボが、僕の中の根源的なものにこうも直撃で響きかけてくるのは一体何故だというのだろう、判らない、堪らない。判らないのが堪らない。
一から十まで教えて欲しい。おもはゆったい喋り方で高尚な講釈を垂れられたいとすら思う。
教えて！クリス先生！

ああクリステル、クリステル、なんとなくクリステル。